録画放映

令和7年第4回定例会
6月13日(金) 一般質問
創志会
村上 真以 議員
1 南海トラフ巨大地震への備えについて
 (1)地震や津波に対する避難などの取組について
 (2)県の被害想定における本市の被害の現状について
 (3)国及び県の被害想定を踏まえた今後の市の取組について
2 福祉の人材確保について
 (1)人材確保に向けた取組について
 (2)人材育成について
 次に、5番村上議員。
      〔村上真以議員質問席に移動〕
◆村上真以議員 最後となりました。創志会の村上です。
 議長の許可をいただきましたので、通告しております2項目につきまして質問させていただきます。
 まず初めに、南海トラフ巨大地震の備えについて質問させていただきます。
 2018年の西日本豪雨から7年の月日がたちました。今なお当時の記憶がよみがえる季節でもあり、まずは亡くなられた方々に御冥福をお祈り申し上げます。
 この時期には、議員の中でも災害に関する質問が多く行われています。私自身も、雨の際、雨量がとても気になります。川の越水は大丈夫か、災害は今回はなかったかと自然とそのように身構えてしまいます。一人でも多くの方に災害の事前情報を知っていただきたい。危機感を抱いていただきたい。そして、御家族や御友人と避難について話し合っていただきたい。そうした強い思いから、今回災害に関する質問を行わさせていただきます。
 一人でも多くの三原市民の皆様に災害避難への危機意識を持っていただければ、被害に遭う方を最小限に抑えることにつながると考えています。そのために、避難行動に対する意識を徹底していただきたいと考えています。分かっているつもりでも判断を怠りやすいのが避難行動であると私は感じています。本市の場合は、自主防災組織が設置されている地域や災害意識を積極的に発信している方々、また行政とともに大規模な避難訓練を行う地域など、災害対策に積極的な地域もございます。しかし、こうした訓練は決して過信することなく、繰り返し繰り返し避難行動を実践し、習慣化して、体に落とし込んでいただきたいとも思っております。そして、地域の過去の災害状況などを次の世代、特に子どもたちへ語り継いでほしいと願っております。
 今年3月には国が定める避難想定の大幅修正が行われました。この想定によれば、主に南海トラフ巨大地震に関する被害が見直され、地震発生から1週間後には最大で約1,230万人が避難者となり、1か月後も1,200万人が避難生活を続ける可能性があるとされています。また、これから予測されるのは、水や飲料水、そうした生活物資の不足の問題です。
 広島県内における津波による浸水エリアは、前回2012年の想定に比べて大幅に広がっております。国の見解では、津波の到達前に住民が早期避難を完了できれば、被害者数は大幅に減少するとのことであります。今後は、本市においても、南海トラフ巨大地震への備えがますます重要になると考えております。
 そこで、以下の3点について質問させていただきます。
 1点目、津波発生時における避難の取組についてです。
 市民の早期避難が実現できれば、被害を大幅に軽減できると考えております。そのためには、日頃から市民や自主防災組織による避難訓練などの積み重ねが重要ですが、本市における地震、津波時の避難に関する現状の取組についてお伺いいたします。
 2点目、広島県の被害想定と本市の予測についてでございます。
 国の被害想定に連動し、広島県は、平成25年に発表した広島県地震被害調査報告書を今年の10月に見直す予定になっております。県の想定は、国の想定よりも災害発生状況が厳しく設定されていると聞いております。現時点での県の被害想定における三原市の被害予測についてお伺いをします。
 3点目、今後の市としての対応についてでございます。
 現行の被害想定でも甚大な被害が見込まれています。今回の国の想定改定を踏まえますと、今後の県の想定もさらに被害を拡大する可能性があると考えます。これらを踏まえ、市として今後どのような対応を行っていくのかをお伺いします。
○正田洋一議長 松崎危機管理監。
◎松崎博幸危機管理監 御質問の1点目についてお答えします。
 議員御指摘のとおり、南海トラフ巨大地震や直下型地震の発生後、津波が到達するまでに浸水する地域からの立ち退き避難や浸水深よりも高い場所での安全確保は、被害を減少させる上で重要であるとともに、日々の訓練の積み重ねがその実現に寄与するものと認識をしております。
 そのため、本市においては、自主防災組織と連携した津波避難訓練や地震を想定した市民防災訓練、J-ALERTを活用した緊急地震訓練を実施しているところでございます。また、自主防災組織の訓練の実施が継続的に行われるよう、避難訓練手順書を作成して、市ホームページへの掲載や出前講座などの機会を活用し、啓発しているところでございます。
 御質問の2点目についてお答えします。
 広島県が平成25年に公表した広島県地震被害想定調査報告書において、三原市の被害は、死者数約1,100人、負傷者数約2,600人、建物倒壊数約2万1,000棟、避難者数約1万4,000人などの被害想定となっております。県の予測では、津波による堤防の破損を想定しているため、国の予想よりも被害が大きく算定をされています。
 御質問の3点目についてお答えします。
 このたびの国の被害想定においては、標高をより詳細に設定したことによって、県内の浸水面積が3.8倍に拡大されました。今後改正される県の被害想定も、その影響を受け、従来の被害から拡大されて公表される可能性があるものと推測をしております。
 今後、公表後の被害を踏まえた上で、津波到達前までの市民の早期避難が円滑に行われるよう、引き続き地震、津波に係る避難訓練の実施に加え、市民や自主防災組織に対して、三原市における津波被害の実情や必要な行動、事前対策など、あらゆる機会を通じて啓発し、南海トラフ巨大地震等に備えてまいります。
○正田洋一議長 5番村上議員。
◆村上真以議員 答弁いただきました。
 被害面積が3.8倍に拡大する、そして日々の訓練の積み重ねが大事だと思っていると御答弁がありました。早期避難をこれからも継続的に行っていただきたいと願っております。
 そこで、再質問を行わせていただきたいと思います。
 南海トラフ巨大地震に対する本市の現状と認識について確認させていただきます。
 災害時には、市だけではなく、民間企業の力も迅速に、柔軟に対応していくことが求められると考えております。例えばの話なんですが、ドローンを活用した被災者の把握や孤立集落への物資の運送など、民間技術の活用が期待されると思います。こうした利点から、既に他県ではドローン協定を締結している自治体もございます。本市における災害時のドローン活用に関して、民間企業との協力協定の締結についてはどのような見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。
○正田洋一議長 松崎危機管理監。
◎松崎博幸危機管理監 再質問にお答えします。
 議員御指摘のとおり、災害時におけるドローンの活用については、救助者の把握や確認、孤立集落への物資搬送など、様々な場面でその活用が期待され、効果があるものと認識をしております。そのため、本市は、本年10月に広島県と民間企業と連携し、孤立集落が発生した場合を想定し、物資搬送訓練を行うこととしております。この訓練を通して、災害時におけるドローン活用の有効性や課題などを把握することとしております。
 災害時に活用するドローンは、比較的に大型の機体であることから、購入価格や維持費が高額なこと、操縦者の確保や平時の利活用など、市が所有することへの課題もあり、民間企業との協力協定の締結が現実的であると認識をしております。協定締結に係る諸条件など合意できる民間企業がいれば、前向きに対応するよう考えております。
○正田洋一議長 5番村上議員。
◆村上真以議員 答弁いただきました。
 先ほど宮垣議員の一般質問の中にも、PTAも含めた子どもと防災訓練を行うといった活動も、コミュニティ・スクールの一環で活動が始まるというお話がありましたけれども、幅広い分野でこれからも防災訓練を市を挙げて行っていかなければならないと思っておりますし、この規模感が広がることを願っております。
 また、6月21日から7月7日の期間には、「みんなで減災」備えるフェアといったものが始まります、大型スーパー、ドラッグストアを中心に、防災グッズの販売所、紹介コーナー等の設置が行われます。こうしたサービスは、全ての方になかなか伝わらないものです。こうしたサービスが継続的に目に触れやすいものとなるように、発信方法も力を入れていっていただきたいと願っております。
 また、我々が住む三原市は、災害の恐ろしさとその中で失われた命の重みを知っています。その教訓を決して風化させてはならないと強く願っております。自分の命は自分で守るだけではなく、地域の命をみんなで守る、この意識がこれからの防災には必要です。本市が市民の安心と命を守る最後のとりでとなるように、今後とも行政、地域、個人が一体となって取り組める体制づくりを進めていただきたいと強く願って、次の質問に移ります。
 2番目の質問でございます。福祉人材の確保についてでございます。
 本市においても、県内を見ましても、福祉分野での人材の確保が困難な状況が続いていると感じております。特に小規模な事業者においては、慢性的な人手不足が常態化し、職員一人一人に大きな業務負担がかかっている現状が懸念されます。こうした背景には、賃金や待遇面といった経済的課題に加え、他の産業の人材確保競争またはキャリア形成の不透明さ、職場環境への不安感など、複合的な要因が絡み合っていると認識しております。このような構造的な課題に対して、事業者独自では対応が難しくなる側面も多く、行政が地域全体を見回す立場として、どのような支援や役割を果たしていくのかが問われていると感じています。今回は2施設から福祉人材不足の切実な願いがあったことにより質問をさせていただいております。以下の2点について質問させていただきます。
 1点目は、人材確保に向けた取組についてでございます。
 まずは、本市における福祉人材の不足状況やその把握についてお伺いします。市としてどのように現場の声をすくい上げ、課題を可視化しているのかをお聞きしたいと思います。
 また、県や国の支援制度に加え、市独自に取り組まれている人材確保施策があれば、具体的な内容とその効果についてお伺いします。
 さらに、求職者と事業者のミスマッチの解消や就業意欲の喚起に向けて市が補助的な役割を果たすような仕組み、例えば情報発信や相談窓口の強化など、現在の取組や今後の方向性をお伺いします。
 2点目、人材育成についてでございます。
 人材の確保と併せて職員が継続して働き続けられる環境づくり、すなわち育成と定着の支援も重要でございます。そこで、市内福祉事業の人材育成を促進する上で、研修やキャリア支援に対する市の支援策など、具体的な内容をお伺いします。
 また、福祉に関する関心を持つ若年層や転職希望者などに対して、地域として人材を育てていく視点が求められると考えています。例えば、三原市の医療・福祉業界の顔の見える関係性、ケアマネジャーだけではなく看護分野、介護分野においても、それぞれに思いを持った方々がいらっしゃると思います。そうした方々の意見が出し合えるフラットな場所の構築もこれからの福祉には求められるようになってくるのではないでしょうか。現に、三原市と世羅町にはお話の会といったことが設けられて、話合いの場を提供されているところがあります。このようなことは今までは重要視されにくかったことですが、これから先はこうした病院や施設関係なく、市内で刺激をし合える仲間づくりが重要になってくるのではないかと考えます。むしろ重要になることを願っております。それはなぜかといいますと、意識レベルが上がると仲間意識を持つことができる。そうした方々が前向きに仕事に携わると、職場の雰囲気も必ず変わってくるものなのです。私も、短い期間ですが、11年、福祉の仕事に携わってまいりました。福祉は誇れる仕事だと今でも思っております。だからこそ、生の現場の声として行政に思いを伝えたいと、そのように思っております。
 本市単位で何ができるのかはこれから先の話になると思いますが、人材が不足しているよ、行政も危機感を抱いてほしいと切実な願いがあったこと、そして医療・福祉業界で活躍されている若い方々から本市の福祉のレベルを上げていっていただきたいとお話をいただきました。そうしたことも含め、教育機関や地域団体との連携、職業理解を深める取組など、本市としてどのような啓発や育成支援を展開されているのかをお伺いします。
○正田洋一議長 藤井保健福祉部長。
◎藤井宏道保健福祉部長 御質問に対する答弁について、午前中の岡議員への答弁と重複する部分がありますが、お答えさせていただきます。
 まず、介護人材の不足状況については、第9期介護保険事業計画策定時に行った介護人材実態調査で、求人募集をしても必要な人数が集まらないと回答した事業所が67.3%を占めており、約3分の2の事業所が人材確保に課題があるものと考えられます。
 次に、第9期ひろしま高齢者プランによる県全体での将来見通しでは、現状においても人材確保が厳しい状況ですが、令和8年以降、介護人材の需要が供給に追いつかない状況が拡大し、団塊ジュニア世代が65歳以上となる令和22年には、約1万人の介護職員が不足することが見込まれています。
 次に、人材確保に係る支援制度ですが、国、県においては、介護分野で働く際の不安を解消するため、未経験者に対する入門的研修の実施や職員の育成や就労環境改善に取り組む事業所を評価する認証制度の導入のほか、介護報酬の見直しによる処遇改善など、様々な取組が行われています。
 市の独自の支援策については、介護福祉士等の資格を有する人が新たに市内の介護職場に就労した場合に1人20万円の就労奨励金を交付しており、令和6年度で9人が就労いたしました。さらに、市外から移住を伴う新規就労をした場合は、引っ越し費用や家賃を補助するなどの移住支援金を交付し、市外からの就労促進策となっております。そのほか就労に結びつく取組として、広島県福祉・介護人材確保等総合支援協議会などによる無料職業紹介や就職フェアの開催のほか、高校生に対して介護職の魅力を伝える情報誌「Gentle」の発行、県社会福祉協議会による介護福祉士修学支援貸付事業など、イベントや制度についての周知に取り組んでいるところです。
 また、市の事業としては、市、商工会議所、公共職業安定所などで構成するJデスクみはら主催の市内事業所による合同企業説明会への介護事業所の参加や中高生向けの職場体験、FMみはらでの情報発信などを通じて介護の魅力を発信し、就労促進を図っています。
 次に、2点目の人材育成についてですが、研修やキャリア支援に対する市の支援策として、介護職員等の資質向上を図るため、介護職員初任者研修や介護福祉士等の資格取得研修受講費用に対して2万円または5万円の助成を行っており、令和6年度は初任者研修4人、介護福祉士12人が利用しています。また、多職種が参加し、一緒に対応検討や情報共有、関係性の強化等を通じて人材育成につなげることにも取り組んでいます。
 三原市医師会に委託し、実施している地域包括ケア連携推進協議会の取組では、在宅医療・介護連携を目的に、医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、介護職員などが参加する研修や、在宅生活を支援する仕組みづくり、医療や福祉に関する情報を社会資源マップとして取りまとめるなど、様々な取組を通じた地域包括ケアの推進とともに、人材育成の場となっています。
 また、市と地域包括支援センターが開催する事例検討会議においては、ケースに関係する多様な職種が集い、具体的対応策の検討の実施を通じて、質の高いケアの提供に向けた技能向上につながっています。
 さらに、三原市地域共生社会推進プラットフォームを設置し、高齢、障害、子どもなど分野を横断した支援機関での情報共有や、顔の見える関係づくりを通じたスキルの向上や支援体制の強化を目指しています。
 このような取組を通じて人材育成を促進することで、質の高い介護サービスを提供できる体制を強化してまいります。
 以上です。
○正田洋一議長 5番村上議員。
◆村上真以議員 答弁いただきました。
 答弁内容は繰り返しをしませんが、いろいろな非常によい取組が行われていたんだなということを実感しました。こういった今答弁されました内容といったものが、これらを利用される職員さん、就労を考えている方々に非常に伝わってないというところも実感しておりますし、そういった声も聞いております。もっともっとこういった情報発信が伝わりやすいシステムになることを願っております。
 福祉の環境下では2025年問題がささやかれております。福祉人材不足の予測ですが、この先15年間の間、福祉への需要がさらに拡大する可能性があります。福祉人材の確保ということは、本市にとっても今後の課題になることと思います。人材の確保や育成は、事業者任せでも行政任せでもなし得ません。市民、地域、団体、教育機関、そして行政が一体となって、人育て、支え合う仕組み、こういったものをつくっていくことが大切だと考えます。三原市の福祉が未来に誇れる分野であり続けるために、本日の提案がその一歩となることを切に願いまして、質問を終わらせていただきます。
○正田洋一議長 村上議員の質問を終わります。
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