録画中継

令和6年第4回定例会
6月6日(木) 一般質問
会派無所属
寺田 元子 議員
1 本市における自衛隊に対する考え方について
 (1) 自衛隊への募集対象者情報の「提供」に係る対応はどうかについて
 (2) イベントへの自衛隊の参加は中止をについて
 (3) こどもおしごとチャレンジにおいて自衛隊に係る講座は今後も実施しないことについて

2 大地震に備えた防災対策の強化について
 (1) 能登半島地震を教訓に、本市の防災施策の何をどう見直したのかについて
 (2) 木造住宅耐震診断の無料化と耐震改修補助金のさらなる引上げについて
 (3) 地震発生時の火災防止のために感震ブレーカー設置補助をについて
 (4) 家具等の転倒防止器具購入、取付けへの補助をについて
 次に、24番寺田議員。
      〔寺田元子議員質問席に移動〕
◆寺田元子議員 三原市議会日本共産党の寺田元子です。
 1点目の本市における自衛隊に対する考え方について伺います。
 まず1点目、自衛隊への募集対象者情報の提供に係る対応についてです。
 岸田政権が地方自治体に自衛官募集のための名簿提供を迫る中、2021年度に電子及び紙媒体で名簿を提供した市区町村が初めて過半数を超え、2022年度には6割を超える見通しだと報じられています。具体的には、18歳と22歳の男女の住所、生年月日、性別の情報を提供した自治体は、全国1,747市区町村中962自治体、55.07%、住民基本台帳閲覧による提供は659自治体、37.72%と、初めて電子、紙媒体提供が上回り、過去最多となりました。
 自治体による自衛隊への電子、紙媒体での自衛官募集対象者の名簿提供は、当時の安倍元首相が、2019年2月、6割以上が協力を拒否しているとの発言をきっかけに、2020年12月、市区町村長が住民基本台帳の一部写しの提供が可能であることの明確化を閣議決定し、2021年2月には防衛省と総務省が自衛隊法、同法施行令、住民基本台帳法を根拠に、防衛大臣が市区町村に提供を求めることができるとする通知を出していました。それが自治体への圧力となり、電子、紙媒体での提供が急増しているのです。
 三原市の対応は、閲覧させる方式を取っているそうですが、住民基本台帳の閲覧なのか、それとも対象年齢の名簿を住民基本台帳から抽出しての閲覧なのかについて伺います。
 また、住民基本台帳の閲覧以外にも自衛官募集にどういった協力をしているのかについても伺います。
 2点目、イベントへの自衛隊の参加は中止をについてです。
 先日開催されました三原さつき祭りには、今回も防衛省ブースが設けられました。主催は三原さつき祭り振興協議会ですが、車両や装備品の展示及び自衛隊制服試着体験なども行われたようです。多くの子どもたちが家族連れでにぎわう市民のイベントに防衛省ブースはふさわしくないと考えますが、見解を伺います。
 3点目のこどもおしごとチャレンジにおける自衛隊に係る講座は今後も実施しないことについてです。
 こどもおしごとチャレンジは、小学生を対象に様々な業界、仕事や社会を知る学びと体験を提供することを目的に開催されています。企画の中には自衛官については具体化していないようですが、小学生を対象にしたおしごとチャレンジに自衛隊は今後もふさわしくないと考えます。職業としての自衛隊を否定するものではありませんが、安保法制によって世界中の戦闘地域で殺傷の任務を強いられる危険が格段に高まっている自衛隊と他の一般の職業を同列に扱うことはできないと考えますので、今後も自衛隊に係る講座は開催しないことを求めますが、見解を求めます。
○岡本純祥議長 三次総務部長。
◎三次健二総務部長 まず、本市における自衛官の募集対象者情報の提供についてでありますが、自衛隊広島地方協力本部尾道出張所は、住民基本台帳法第11条に規定されている国や地方公共団体の請求による住民基本台帳の閲覧制度を利用し、市で対象年齢を抽出した住民情報を閲覧しています。本市では、自衛隊に対し、対象者を抽出した紙媒体やデータでの情報提供は行っておらず、現在の対応を改める予定はありません。
 また、自衛官募集事務は、地方自治法第2条及び同法施行令第1条で市町村の第1号法定受託事務とされ、自衛隊法施行令第119条に、都道府県知事及び市町村長は、自衛官または自衛官候補生の募集に関する広報宣伝を行うものとすると規定されていることから、自衛隊広島地方協力本部尾道出張所の要請に応じ、広報みはらに記事を掲載しております。
 2点目のイベントへの自衛隊の参加についてですが、自衛隊では、さつき祭りなど各種イベント会場においてブースを設けられ、自衛隊車両の展示やパンフレット等を配置し、国の防衛、災害時の救援救助活動、国際平和協力活動など、自衛隊の活動を広く知ってもらうための一般的な広報活動が行われています。
 市といたしましては、主催者である実行委員会が決定した実施内容に問題はなく、自衛隊参加の中止を求めることは考えておりません。
○岡本純祥議長 國次こども部長。
◎國次美和こども部長 御質問3点目のこどもおしごとチャレンジにおける自衛隊に係る講座についてお答えします。
 こどもおしごとチャレンジは、仕事をテーマに企業、事業者等と連携し、小学生を対象に仕事への興味、関心の拡大と将来について視野を広げるきっかけづくりなどを目的に実施しており、体験講座の職種の選定については、昨年度定員を上回る申込みがあった職種や講座に参加した小学生のアンケートなどを踏まえて決定することとしております。
 自衛隊については、様々ある仕事の一つと捉えておりますが、現在のところ今年度実施する予定はございません。
 講座の職種の選定については、引き続き慎重に検討し、対応してまいります。
○岡本純祥議長 24番寺田議員。
◆寺田元子議員 ただいまお答えをいただきました。1点目について再度伺います。
 三原市は、自衛隊に対して、対象者を抽出した電子、紙媒体やデータでの情報提供はしておらず、今後もそれを改める予定はないとのお答えでした。要請がないからそうしていないのか、要請があってもそれは拒否しているのか、そこのところも明確にしていただきたいと思います。
 全国6割の自治体での提供が進んでいるわけですから、本市にも依頼が来ないとは限りません。自衛隊法97条1項では、知事や市町村長に対し必要な情報または資料の提出を求めることができるとしているのであって、市長に応える義務はありません。電子、紙媒体の要請が今後あった場合には、住民の重要な情報を管理する自治体としての判断が優先するものとして従来どおりの対応を取ることが求められますが、その見解を伺います。
 三原市は、非核平和都市宣言を行っており、市民にアピールしているまちです。地方自治法の本旨に沿って、自衛官適格者名簿の提出は今後も行わず、閲覧にとどめ、個人の尊厳を擁護する自治体としての住民を守るべきだと考えますが、再度伺います。
○岡本純祥議長 三次総務部長。
◎三次健二総務部長 御質問いただきました情報の提供についてでございます。
 議員おっしゃられましたようにすることができるという内容ですので、現在のところは義務ではないというふうに考えております。そのため、現在の住民基本台帳法に基づき閲覧をされるということについての取組というのは、現在の段階では変えるつもりはございません。
 以上です。
○岡本純祥議長 24番寺田議員。
◆寺田元子議員 一定の考え方を共有できたと思いますが、課題はまだ残っておりますので、今後も私なりに対応していきたいと考えております。
 次に、2点目の大震災に備えた防災対策の強化について伺います。
 まず1点目、能登半島地震を教訓に、本市の防災施策の何をどう見直したのかについて伺います。
 三原市の地域防災計画は、2005年に策定され、2023年9月に改正されました。2011年の東日本大震災を踏まえて地震被害想定の見直しが行われましたが、このたびの最大震度7を記録した能登半島地震を通じ、明らかになりつつある課題を本市の防災対策に生かしていくことが必要ではないかと考えます。今回の能登半島地震では、地震の規模、人的被害、建物の倒壊数、火災の発生数など、いずれも事前の予測を大きく上回ったとされています。本市においても、地震による被害想定を見直す必要があるのではないでしょうか。避難者の想定や水、食料、生活必需品など公的備品の見直し、トイレ対策の見直し、ジェンダー視点に立った避難所の確保、上下水道のライフラインの耐震化の前倒しなど必要ではないかと考えますが、見解を求めます。
 2点目の木造住宅耐震診断の無料化と耐震改修補助金のさらなる引上げについてです。
 甚大な被害を受けた能登半島地域では、1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅の割合が、珠洲市65%、能登町61%、輪島市56%であり、住宅の耐震化率も50%程度にすぎませんでした。阪神・淡路大震災で住宅の倒壊による圧死等が約9割、4,831人だったことを踏まえ、建築物の耐震改修の促進に関する法律が制定され、建築物の耐震化を進めることとされてきました。東日本大震災から13年、阪神・淡路大震災から29年、来年は30年を迎えようとしておりますが、当時指摘されていた住宅の耐震化は今回も再び指摘されています。
 そこで、三原市の状況についてですが、2020年の推計によりますと、耐震化率は78.5%と推計されており、全国がこの時点で87%、広島県が84.5%であるのに比べ、三原市は低い状況です。現在、2025年度までの5年間の耐震改修促進計画の今年度は4年目となりますが、この3年間を見ましても、耐震診断や耐震改修ともに進んでいない状況のようです。耐震改修については、実績がゼロのようです。建て替えは2件、除去は5件の補助実績であるようです。2025年度末に86%に達成しようといたしますと、毎年562戸のペースで住宅の耐震化をしなくてはならないと定められておりますが、今のままでは甚大な被害が予想される南海トラフ巨大地震に対応できないのではないでしょうか。耐震診断費用はもうこの際自己負担なしで実施し、耐震化改修補助率、現在の50%、上限率100万円のさらなる引上げが必要ではないでしょうか。
 3点目、地震発生時の火災予防のために感震ブレーカーの設置補助をについてです。
 地震の発生後に無人となり、停電から電気が復旧した際に起きる火災(通電火災)は、延焼火災にもなり、被害が拡大します。この通電火災の防止に有効な感震ブレーカーの普及が必要ですが、三原市の対応は、建築物所有者に情報提供するとしているだけです。これではなかなか促進できないのではないでしょうか。今回の能登半島地震や延焼火災を教訓に、各自治体で感震ブレーカーの無償配付や設置の促進が取り組まれています。三原市でも具体化が必要ではないでしょうか。
 4点目、家具等の転倒防止器具購入、取付けへの補助についてです。
 地震時における住宅内の死傷者の発生を防止するためには、家具の転倒防止対策を進める必要がありますが、この点でも三原市の対応は普及啓発を行うとしているのみです。普及啓発はもちろん大事ですが、具体的に促進するためには購入費補助制度を立ち上げるべきではないでしょうか。
 以上の点を質問いたします。
○岡本純祥議長 松崎危機管理監。
◎松崎博幸危機管理監 私のほうからは、御質問の1点目、3点目、4点目についてお答えします。
 まず、御質問の1点目についてお答えします。
 令和6年の元日に発生した能登半島地震において、いまだ避難所で生活を余儀なくされる被災者もおり、災害が収束していない状況でございます。そのため、国や石川県が行う能登半島地震対応の検証も完了していないと伺っております。
 能登半島地震の被害の特徴は、地震動による多数の施設、建物の被害に加え、長期間にわたる断水や広範囲における道路の損壊等により、被災地への支援や応急復旧対応に時間がかかったことによって被災者の避難生活が長期化しており、直下型地震や南海トラフ巨大地震の発生に備え、本市の防災対策の強化の必要性を意識したところでございます。
 こうしたことから、まずは市民が地震災害から命を守るための備えや方法などの周知啓発や自主防災組織と連携した地震避難訓練などを増やしているところでございます。また、地震の被害は広域的に発生することから、国や県がその被害想定を策定することとなっており、広島県が平成25年10月に改定した広島県地震被害想定調査報告書を来年の秋をめどに見直す予定とされております。
 本市におきましては、県が見直した被害想定を確認した上で、想定避難者数や水、食料、生活必需品の公的備蓄、トイレ対策など、必要に応じて本市の防災対応を見直す予定としております。
 なお、女性やジェンダーの視点に立った避難所等での対応など、その方法や在り方、課題などを含め、内閣府男女共同参画局と意見交換を始めたところでございます。
 上下水道事業につきましては、能登半島地震での被害を踏まえ、現在、国において、今後の地震対策の在り方等が検討されています。上下水道施設の耐震化につきましては、本市と広島県水道広域連合企業団三原事務所において、引き続き国の動向を注視し、推進していくこととしております。
 今後は、こうした取組や国、石川県が行う能登半島地震の検証結果などを参考に、本市の防災対策の強化に努めてまいります。
 御質問の3点目、感震ブレーカーの設置補助及び4点目、家具等の転倒防止器具購入補助についてお答えします。
 感震ブレーカーは、震度5以上の地震を感知すると、電気を遮断する機能を持つ装置であり、電気火災を減らす上で大きな役割を果たすことから、その設置が期待されているところでございます。
 家具等の転倒防止器具は、阪神・淡路大震災時に建物の中でけがをした人の約半数は家具の転倒、落下が原因であることから、その導入により地震災害時における負傷等の予防、抑制が期待されているところでございます。どちらの機器、器具においても、その普及啓発は29年前から国、県や関係団体などが行ってきたところでございます。本市におきましても、広報みはらや市ホームページ、自主防災組織の会合や避難訓練、出前講座などの機会を通じて、繰り返し周知啓発を行っているところでございます。
 補助制度の創設につきましては、その財源の確保や制度設計、事務人役の確保など課題も大きく、現時点では制度化は難しいものと認識しております。一方で、自主防災組織に交付をする育成支援事業補助金を活用して、地域の自主防災組織が共助の観点から自主的に地域の防災力の向上につながる防災設備等の整備として感震ブレーカーの設置や家具等の転倒防止器具の導入を進めた事例もございます。
 また、感震ブレーカーにつきましては、低価格の商品もあるので、各家庭に応じた設置ができることや、家具等の転倒防止につきましても、器具の導入以外に寝室、通路に大きな家具等を置かないこと、家具等の低い位置に重たいものを収納すること、粘着マットなどを家具等の下に敷くことで対策につながる取組もございます。こうした事例を含め、引き続き市民に対する周知啓発活動を行い、感震ブレーカーの設置や家具等の転倒防止対策につなげてまいります。
○岡本純祥議長 信重都市部長。
◎信重栄治都市部長 私からは、御質問2点目、木造住宅耐震診断の無料化と木造住宅耐震改修補助金のさらなる引上げについてお答えいたします。
 三原市耐震改修促進計画における住宅の耐震化率とは、住居に使用されている住宅戸数に対する耐震性を有する住宅戸数の割合で算出するものであり、目標の設定に当たっては、本市の補助制度を利用して耐震化される住宅のほか、新築や建て替えによる耐震住宅の増加なども見込んでおります。
 木造住宅耐震診断制度と木造住宅耐震改修制度は、住宅の耐震化の促進を目的に平成24年度に創設したものです。木造住宅耐震診断制度は、昭和56年以前の旧耐震基準で建築された木造住宅の耐震診断を市が耐震診断資格者を派遣して行うもので、申請者の負担1万円は、現地調査に関わる交通費や住宅の図面作成などの経費としていただいているものです。昨年度まで91件耐震診断を行っており、今年度は、能登半島地震の影響もありますが、5月末時点で18件と既に多くの申請をいただいております。
 木造住宅耐震改修補助制度は、大規模な地震に対して倒壊する可能性が高いと診断されたものについて耐震改修工事を行う場合、その工事費用の一部を補助するものです。一方で、耐震改修が必要と診断された場合においても、御高齢の所有者から子どもが独立しており、住宅に帰ってくる予定がない等の理由により、耐震改修工事に高額な費用をかけたくないという御意見を多く伺っております。このため、広島県と市町担当部局で構成する耐震改修促進計画市町調整会議等において、各市町が抱える課題や対策等について協議し、県内でおおむね統一された制度として、令和3年度から補助対象を耐震改修工事に加えて建て替えや除却工事も対象とするとともに、補助限度額をこれまでの60万円から国の定めた上限額の100万円に引き上げたところです。この実績といたしまして、平成24年度から令和2年度までの9年間で耐震改修工事の申請が5件でしたが、令和3年度から令和5年度までの3年間では、建て替え、除却工事で7件、また今年度は建て替え、除却工事で3件の申請をいただいております。
 現在のところ、これら2つの制度を変更する予定はありませんが、引き続き市民の皆様に対し制度内容について情報提供するとともに、県や他市町とも課題を共有しながら、住宅の耐震化が促進される方法を検討してまいります。
○岡本純祥議長 24番寺田議員。
◆寺田元子議員 それぞれお答えをいただきました。再質問を行います。
 元日に起きました能登半島地震では、数か月たちましても体育館で段ボールの上でしのいでおられる状況がテレビで放映されています。一方、4月3日に発生しました台湾での大地震では、発生から僅か3時間で最低限のプライバシーが守られた仮設住居が確保され、冷暖房完備、温水シャワー、仮設トイレなど、テレビの放映を見られた市民が口々に雑居状態の日本との違いやその劣悪さに唖然とされたと言われています。
 南海トラフの被害想定の見直しを広島県が来年度実施し、それを確認した上で三原市も防災対策を見直すというお答えでしたが、西日本豪雨災害で甚大な被害を体験した本市であるがゆえに、三原市としての見直しの視点が必要ではないかと考えます。今回は具体的には防災用の避難所用のテントの状況とか、トイレの状況とか細かくはお尋ねいたしませんが、三原市独自の常に見直しの視点を持つ必要があるのではないかという点について、再度伺います。
 2点目の木造住宅耐震診断及び耐震改修についてです。
 高齢化が高くなるにつれて耐震化率が低いという相関関係があります。お答えにもありましたように、高齢の方からは、耐震化には多額の費用がかかり、今さら費用をかけられないという声が多く聞かれます。しかし、いざ地震というとき、倒壊を防ぎ、自宅で過ごすことができることが重要です。少しでも耐震化率を前に進めるために、三原市独自の補助額の上限、さらにこれの上乗せが必要ではないかと思いますが、見解を伺います。
 そして、併せて代理受領制度、これも導入すれば少しでも後押しできるのではないかと考えますので、その点についても伺います。
 感震ブレーカーや転倒防止器具の取付けについてです。
 三原市は設置率はどのくらいの現状にあるのか、把握しておられれば、その点も伺いたいと思います。全国、約10年前の専門家の示された数字では、感震ブレーカーの設置は家屋の1%から2%だということも指摘をされておりますが、三原市の状況はどういった把握をなさっているでしょうか。
 これらの補助の導入についてですが、お答えにありましたように、市内の自主防災組織への補助金事業で活用された事例もあるとのことですが、さらに意識的に補助金の活用メニューとして普及が広がるよう推進していただきたいと考えますが、この点と併せて三原市としての補助制度の創設については、財源や制度設計、事務量など課題が大きく、現時点での制度化は難しいとの答弁でしたが、このたびの能登半島地震を受けて、感震ブレーカーや転倒防止器具の普及を支援する自治体が広がっています。新規事業として、まず木造住宅住居者や身体障害者等の肢体不自由な方がおられる世帯、65歳以上の寝たきりもしくは独り暮らしの世帯など、地震や火災時により困難を抱えておられる世帯からでも対象にして進めるべきではないかと考えますが、再度見解を伺いたいと思います。
○岡本純祥議長 松崎危機管理監。
◎松崎博幸危機管理監 寺田議員から再質問、私のほうからは2点お答えさせていただきます。
 まず1点目でございますが、災害対応の見直しの視点、これについてでございますが、何といってもやはり住民の皆さんに災害から命を守ってもらう、この行動が取れるかどうかという視点が一番重要であるというふうに市としては認識をしております。したがって、これは自助の行動となりますけれども、今回起きました災害、また過去の教訓を踏まえまして、この自助がしっかりと浸透し、市民の皆さんがしっかり災害が発生した場合においても自ら命が守れるような行動が取れるように、引き続き対応していきたいというふうに考えております。
 続いて、感震ブレーカー等の設置率について、また補助の考え方について御質問いただきました。
 まず、設置率につきましては、先ほど寺田議員からも御指摘ありましたとおり、その設置率というのは全国的にもなかなか分かっていないというのが現状でございます。したがいまして、本市においても、その現状については分かっていない、また把握できていないというのが現状でございます。
 感震ブレーカーや、また家具の転倒防止器具の補助の在り方について、それが進んでいない背景を少し御紹介させていただきます。
 国の検討会によれば、感震ブレーカーの設置が進まない背景といたしましては、感震ブレーカーの存在が知られておらず、その必要性が理解されていない。そして、電気火災の予防は効果が実感しづらい。自らの自宅だけで設置しても、周囲の家屋から出火をし、延焼することもあって、自ら進んで設置をする動機に欠ける。地震時に住宅の電力供給を遮断した場合、例えば夜間においても室内の照明が点灯しなかったり、玄関のオートロックが作動せず、避難の支障となると。大規模災害時の発生時におきましては、情報収集が何といっても重要であります。そうした中、電源が喪失すると、テレビやラジオからの情報が取れなくなる。こういったことなどが懸念をされているところでございます。
 一方で、家具等の転倒防止対策につきましても、国が令和4年に全国の18歳以上の日本国籍を有する3,000人に調査を行った結果を御紹介しますと、家具、家電などの固定ができていない理由は何かと複数回答で聞いたところ、「やろうと思っているが、先延ばしにしてしまっている」を挙げた者の割合が42.4%と最も高く、以下、「面倒だから」22.3%、「固定の方法は分かっているが、自分ではその作業ができないと思うから」18.2%、「家具や壁などに傷をつけるから」17.0%、「お金がかかるから」16.3%、これ以外にもその進まない背景の結果が出ているようでございます。
 こうした背景を踏まえますと、補助制度の創設が直ちに効果が上がるということは言いにくいのではないかというふうに認識をしておりまして、市といたしましては、引き続き感震ブレーカーや家具等の転倒防止器具の設置導入について、その必要性の理解につながるよう、様々な機会を通じて周知啓発に努めてまいります。
○岡本純祥議長 信重都市部長。
◎信重栄治都市部長 私のほうから、再質問2点目についてお答えいたします。
 耐震改修が伸びない中、補助率の上限額を引き上げてはどうかということと、あと耐震改修工事について、代理で市のほうが手続を行うことでそういったことが進むのではないかという2点をお伺いしております。お答えします。
 現在、国におきまして、能登半島地震における建築物の構造被害の原因分析を行うとともに、分析を踏まえた対策の方向性が検討されており、この結果が今年の秋頃取りまとめられる予定になっており、こうした国の動向を注視していくこととしております。
 それと、議員から御提案ありました市からの耐震補助金を直接施工者に支払う等の代理で行うということで、所有者の手間が少しでも減り、こうしたことが耐震改修工事につながるかにつきましては、いただいた御意見を踏まえ、他都市の事例を調査しながら、今後も引き続き住宅の耐震化が促進される方法を検討してまいります。
○岡本純祥議長 24番寺田議員。
◆寺田元子議員 お答えの全体を通じまして、自助、共助、公助、その中での自助の重要性ということを殊さらお答えの中で強調されましたけれど、私は全体を通じて公助の在り方についてこの質問をさせていただいた点です。その点についてもしっかり自助での命を守る、そのためにも公助の在り方も問われているということを基本に質問いたしましたので、今後もその視点を持って、計画の見直しや、また補助制度の在り方等、具体化の検討を進めていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
○岡本純祥議長 寺田議員の質問を終わります。
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