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6月7日(金) 一般質問
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内容
資料
令和6年第4回定例会
6月7日(金) 一般質問
創志会
杉谷 辰次 議員
1 中山間地域における地域公共交通について
(1) 高齢者などの交通弱者が、自由に病院や買物に行くことのできる地域公共交通対策と移動区域の見直しに係る考えはどうか
(2) 状況に応じてタクシー助成券事業に取り組むことはできないのか
(3) スーパー閉店に伴う買物弱者への対策は現在どのような進捗状況なのか
9番杉谷議員。
〔杉谷辰次議員質問席に移動〕
◆杉谷辰次議員 おはようございます。創志会の杉谷です。
議長から発言の許可をいただきましたので、通告しております中山間地域における地域公共交通について質問いたします。
この地域公共交通については、今回で7回目の質問となります。この課題がなかなか整理されていないので、過去をちょっと振り返ってみたいと思います。
平成29年の9月議会で初めて質問いたしましたが、市では、地域コミュニティ交通は、交通空白、路線バス利用が不便な地域として久井町、大和町の北部が該当しておりますけど、交通空白、不便地域において、主に高齢者等の通院や買物などの日常的な生活を支えるための交通手段であること、またタクシー助成券交付事業の取組がどうかとただしたところ、生活支援策、外出支援という福祉施策の面が大きいため、他の自治体の事例を参考にしながら各部局と協議検討するとの答弁でありました。
令和元年9月議会では、鉄道や路線バス等のサービスを利用できない地域を運行する地域コミュニティ交通は、まさに交通弱者対策であると認識している。地域の実情に応じ、市域を越えた運行をしている地域コミュニティ交通の事例として、平成30年10月に八幡町へ導入した乗合タクシーは、住民の生活圏が隣接する御調町にもあるため、尾道市や関係タクシー会社などと協議の上、御調町への乗り入れも可能となっている。また、タクシー助成券については、他市町での支援事例を情報収集するなど、研究を進めるとの答弁でありました。
そして、令和2年3月議会では、路線バスに接続することで広域的な移動も可能となるような環境整備に取り組んでいきたいとの答弁でありました。
そうした中、令和2年9月議会において、市北部の中山間地域である久井町、大和町における交通弱者の移動手段の確保について、地域公共交通対策として政策提案したところ、令和3年度には補正予算を計上され、令和3年10月から1年間、大和支所から世羅中央病院への直通バスの実証運行が実施されたところであります。
そのときの世羅中央病院への年間受診者数は、令和3年から令和5年の3か年間の平均値で、久井町から6,500人、大和町から7,100人でありました。これは全受診者数の7万4,000人の約20%に当たります。直通バスの実績は、延べ162人の利用でありました。大和町から7,100人の僅か2%の人が利用されたことになります。では、それ以外の人はどのようにして行かれたのでしょうか。路線バス、タクシー、マイカー、家族の方の送迎等が考えられます。令和4年9月の実証運行の終了後、どこに課題があったのか。また、利用実績の分析や地域の声を聞いてどのように改善しようと検討されたのでしょうか。
次に、令和4年の3月議会では、デマンドタクシーを利用して路線バスに接続することで広域的な移動が可能であると言いながらも、路線バスの便数が少なく、利用しにくいという認識をされている中、市民の利便性のみを追求することには課題があると答弁されております。また、市内の交通利用不便地区において、地域コミュニティ交通は、今後運営主体の在り方、従来の導入方法や運行基準などの見直しも検討しながら、より利便性が高く、持続可能な地域公共交通となるよう引き続き取り組むと答弁されております。
そして、令和4年12月では、中山間地域における住民のより利便性の高い移動手段の確保が喫緊の課題であることは十分に認識している。今後、新しい技術の導入などを含め地域と協働し、スピード感を持って検討すると答弁がありました。そして、買物弱者対策については、地域住民が中心となって形成し、課題解決に向けた取組を行う地域運営組織があり、この事例を研究し、支援制度の構築について検討する。また、タクシー代補助事業については、路線バスや地域コミュニティ交通、これらの継続や利便性の向上、運行エリアの拡大などの検討と並行して、路線バスや地域コミュニティ交通のサービスを受けていただくことが困難な方などに、様々な移動手段の一つとしてタクシーの活用を研究すると答弁がありました。
そして、令和5年、昨年12月議会では、現在の運行エリアを超えた運行に当たっては、運行路線の設定や運賃等について、路線バス等の既存の公共交通機関との共存に向けた調整が必要である。また、引き続き住民組織などの関係者と連携し、一緒にアイデアを出し合い、改善を図りながら、地域の実情に応じた利便性が高く持続可能な地域コミュニティ交通の構築を検討するとの答弁がありました。
このように、平成29年から過去6回の質問に対して検討するという答弁だけで、前向きに検討されたのでしょうか。私には全く進展が見られません。
先月5月20日に開催されました三原市地域公共交通活性化協議会の中で、久井町では久井町乗合タクシーはなさく号の状況を、令和5年度1年間の利用者数は延べ1,600人、1日平均利用者数は11.3人、行き先は、上位3位から久井診療所、町内の病院、久井支所と、大和町では大和ふれあいタクシー、デマンドタクシーの状況を、同じく令和5年度1年間の利用者数は延べ4,485人、1日平均利用者数は31.6人、行き先は、上位3位で12月までですが、スーパー、2番目に大和支所、3番目に白龍湖病院と利用実績の報告がありました。収支状況の収支率も6%から10%台で低く、伸びも厳しい状況であります。
また、大和町の生活圏は、東西南北、隣接している四方にあります。北部は世羅町、東部は本郷町、南部は河内町、西部は豊栄町と、各地域へ車で10分から30分以内で行ける範囲であります。南部にはJR河内駅もあります。デマンドタクシーで病院、買物、そして高校生の通学手段と、利用者の要望は数多くあります。今の区域では要望に応えられません。デマンドタクシーの移動区域の見直しはできないものでしょうか。例えば、デマンドタクシーで本郷町の病院、商業施設へ行けば、帰りは本郷のふれあいタクシーで帰るとか、また久井町の住民の方は、垣内まで行ってくれれば御調町へ行けるのにと、御調町の病院や商業施設へ行きたい要望を聞いております。市内で運行している地域コミュニティ交通間の連携を図ることで可能となりませんか。
繰り返して言いますが、路線バスの利用として、大和町では徳良~泉~三原線、河内駅~甲山線がありますが、便数が少なく、平日のみ運行、土日は運休している。運行の時間帯もデマンドタクシーに合わないなど、とても不便であります。新しい技術や新しい政策で新しい交通サービスをつくれば、過疎化が進んでいる地域の生活を変えてくれる可能性があると考えますが、1点目に、高齢者などの交通弱者が自由に病院や買物に行くことのできる地域公共交通対策と町内エリアを越えての移動区分の見直しについて、お考えはどうか、お伺いいたします。
2点目に、少子高齢化や過疎化などの影響により、流通機能や公共交通網が弱体化したことによって、食料品や日用品など生活必需品の買物が困難な状況に置かれています。大和町で唯一のスーパーが昨年12月末で閉店しました。また、町内には小売店が少ないこともあり、多くの住民は近隣の商業施設へ出向かなければならない状況であります。マイカー等移動手段がある方でも、近くに店舗がないため、周辺地域まで買物に行かなくてはならないと大変困っているとお聞きします。
令和2年3月から4年たちますが、民間事業者による移動販売車が週2回のペースで大和町内を巡回しています。車両の大きさに制約があり、商品の種類も限界があり、巡回の最後の停車場所では品物が少なく、十分な買物ができないと、移動手段のない方、特に高齢者の方はまだまだ不便さを感じておられます。既存の路線バスとの乗り継ぎにより地域を越える広域的な移動を行うにも、便数や運行時間に課題があり、利用できない状況であります。毎日とは言いませんが、月に二、三回の買物などに外出するときの助成としてタクシー助成券の支援があれば、高齢者で車の免許のない、そして一人暮らしをしている人にとっては、生きがいを持てる生活ができるのではないでしょうか。状況に応じたタクシー助成券事業に取り組むことはできないのか、お伺いいたします。
3点目に、昨年12月議会で、旧店舗等を利用し、新たに営業ができるよう民間事業者への誘致や奨励金など買物弱者対策として市民生活の安定に資する支援制度の設立を質問し、民間事業者の公平な事業活動の阻害に当たらないことを条件として、住民生活に必要なライフラインを支える事業者の確保に資する支援制度を検討すると答弁がありました。6か月経過しておりますが、誘致できるのか、どうか。市民から多くの声を聞きます。現在どのような進捗状況なのか。
以上、3点についてお伺いいたします。
○岡本純祥議長 岡田市長。
◎岡田吉弘市長 本市では、現在、市内の5地域において、地域内を自宅から目的地までドア・ツー・ドアで移動できるデマンド型乗合タクシーを導入しており、既存の路線バスとの乗り継ぎにより、地域を越える広域的な移動需要への対応も図っているところでございます。
路線バスの運行数については、人口減少等に伴う利用者減少に対する採算性の確保やバス運転手の不足などにより減少傾向にあります。また、令和3年度には市議会からの政策提言もいただきまして、大和町のデマンド交通の運行区域を越えて、大和支所と世羅中央病院を結ぶ直通バスの実証運行を行ったところです。しかし、利用者は1便当たり0.2人というふうに低調なものでございました。この理由としては、乗り降りをする場所であったりとか便数、運行時間とか利用料金などが考えられるわけでございますが、移動に対する市民が求めているサービスの水準も高まっているということが想定されます。
現在、国では、新技術やライドシェアなどの導入を進めておりまして、高まる市民ニーズを部分的には満たすことは可能と考えております。しかしながら、実施に向けては、ライドシェアの安全性の確保、タクシー事業者との共存など多くの課題解決を要するとともに、多様化する市民ニーズを行政の取組だけで解決するということも少し困難な部分があるかなというふうに考えております。路線バスや鉄道、デマンド交通と併せてライドシェアの課題整理も図りながら、多様な交通手段が連携して市民ニーズに応える体制を整える必要があるというふうに思っております。
このような状況の下、現在の地域公共交通網形成計画の計画期間が令和6年度で終了するために、今年度は次期公共交通計画の策定に取り組むこととしておりまして、市民の移動ニーズの把握や、それに対する今後の施策などを検討してまいります。
また、計画の中で、議員御提案の現在の地域コミュニティ交通の運行区域の範囲だけでなく、一部市外も含めて広域的な運行についてもしっかり検討していきたいというふうに思っております。
次に、御質問2点目のタクシー助成についてなんですが、高齢者の外出が生きがいや生活において重要でありまして、移動手段の充実というのは重要な施策であるというふうに認識しております。
本市では、高齢者の移動支援として、路線バス1回の運賃が100円で乗車できる敬老優待乗車証交付事業を実施しています。近隣他市のタクシー助成制度は5,000円から1万円を助成をしているというわけなんですが、これはこれで利用に限りがありまして、地域公共交通の確保につながるものではないというふうに考えております。市としては、こうした給付ではなく、移動の課題解決を図る仕組みをつくり、継続することで、市民が利用しやすい地域公共交通を確保するということが必要というふうに考えております。仮にタクシー料金助成という給付型の交通施策を実施するとなれば、多額の経費が必要でして、財源の確保が課題となりまして、こうした課題認識は厚生文教委員会における政策提言の過程でも意見があったというふうに聞いております。
市としては、市民の移動を守るための交通施策を考えて、仕組みをつくるということに注力をして、まずは先ほど述べたデマンド交通の課題について、その解決を図ることで地域内での移動をさらに便利にしていきたいというふうに考えております。
さらに、地域ビジョンを策定した地域において、地域が取り組む課題解決策として、住民による外出支援や買物支援などを計画している地域が多くあります。このため、今年度からこれらの地域に移動の仕組みづくりについて働きかけることで、地域による移動支援のモデルづくりの取組を始めたところでございます。こうした取組を通じて外出を支援して、高齢者の生きがいなどにもつなげていきたいというふうに考えております。
また、議員から移動販売車の課題提起もいただきました。これに対して市としてどのような対策ができるかということについても検討してきたいというふうに思います。
地域公共交通の体系としては、市内外を大きく結ぶ鉄道、地域と地域を結ぶ路線バス、地域内をつなぐデマンド交通に加えて、小地域において支え合いによる移動支援などの仕組みをつくることを通じて、地域公共交通の課題解決に取り組んでいきたいと思います。
最後に、3点目のスーパー閉店に伴う買物弱者対策についてです。
昨年の12月20日をもちまして、長年大和町で営業されておりました食料品スーパーが閉店したことによって、地域の皆さんが食料品等日々の買物に不自由をされているという現状は、私も重々認識をしております。
この間、食料品スーパーを大和地域に誘致する構想を持って、私が先頭に立って動いております。出店に関心を持つ事業者と面会をしましたし、また関係者との協議、調整を行ってまいりました。しかし、誘致の実現性について、現時点では公表できる段階には至っておりません。
その理由といたしましては、2月の新聞報道にもありましたように、食料品スーパー運営企業が破産状態となりました。権利関係の整理が必要でして、裁判所で行われる破産管財人の選任手続が現時点において完了していないんですね。具体的な交渉等を進めることができないという事情があります。今後、環境が整い次第、速やかに関係者との調整を行う予定でございまして、大和地域の皆さんが安心して買物ができるように、食料品スーパー跡地への同業種誘致の実現に向けて、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
○岡本純祥議長 9番杉谷議員。
◆杉谷辰次議員 それぞれ答弁をいただきました。
1点目のコミュニティ交通について、路線バスや鉄道、デマンド交通と併せてライドシェアの課題整理も図りながら、多様な交通手段が連携して市民ニーズに応える体制を整える必要があると答弁されました。
また、現在の地域公共交通網形成計画の計画期間が令和6年度、本年度で終了するとのことですが、次期の公共交通計画ではしっかりと中身のある、確実性のある内容になることをお願いしておきます。
また、現在の地域コミュニティ交通の運行区域の範囲だけでなく、一部市外を含め広域的な運行についてもしっかりと検討していくと答弁されましたが、スピード感を持って対応していただきたいと思います。先ほども言いましたように、もう7年もたっております。
2点目の状況に応じたタクシー助成券事業について、住民による外出支援や買物支援などを計画している地域はあると言われましたが、共助も大切であると認識しております。しかし、その前に、まず公助の支援を優先すべきではないでしょうか。できる範囲を検討してほしいものと要望しておきます。
最後に3点目ですが、破産管財人の選任手続中で、具体的な交渉等を進めることができないと。環境が整い次第、速やかに関係者との調整を行う予定であるとのことでした。地域の皆さんが一日も早く安心して買物ができますよう特に特にお願いしときますので、よろしくお願いいたします。
質問を終わりにいたします。
○岡本純祥議長 杉谷議員の質問を終わります。
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