録画中継

令和6年第4回定例会
6月6日(木) 一般質問
三原市議会公明党
児玉 敬三 議員
1 高齢者の社会参画の推進について
 (1) 軟骨伝導イヤホンの導入による窓口環境整備について

2 終活支援について
 (1) 令和5年第7回定例会における提案後の進捗状況について
 次に、13番児玉議員。
      〔児玉敬三議員質問席に移動〕
◆児玉敬三議員 ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告しております2項目について、順次質問を行ってまいります。
 1項目めの高齢者の社会参画の推進についてであります。
 国の高齢化率は、令和5年9月15日、敬老の日の時点で29.1%、本市においては同年1月時点で35.8%であります。1年後の本年3月には36.3%と0.5%の微増をしております。高齢化率の上昇とともに、難聴者の方も全国で1,430万人とも報じられております。
 高齢者の社会参画への推進に役立つものとして補聴器がありますが、日本補聴器工業会のアンケート調査によりますと、補聴器を所有されている方は13.5%の約193万人程度との調査結果であり、約8人に1人しか補聴器を所有されていないことになります。補聴器が普及しない理由としては、一つに、難聴は徐々に進行するために、難聴に対する本人の認識が薄いこと、長い年月をかけて少しずつ聞こえが悪くなるため、本人が耳が遠くなっていることに慣れてしまい、聞こえが悪い状況が普通と思われていること、耳の聞こえに違和感があっても、医師に相談される方が少ないことが第1ハードルになっており、次に経済的負担が大きいこと、安いものでも片方5万円程度するそうです。これが第2ハードルとして普及しない理由として挙げられております。
 また、補聴器を使わない理由として、煩わしい、使用しても元の聞こえに戻らない、騒音のするところでは役に立たない、効果が少ないといった、個人差はありますが、使わない理由として挙げられております。
 難聴は認知症の重要な危険因子と言われており、難聴で困らない環境を整備することで認知症の予防効果も高まると考えています。今回はこの認知症の予防については言及しませんが、補聴器を所有されていない難聴に悩む高齢者の方が市役所を訪れた際の軟骨伝導イヤホンの導入による窓口環境整備をしてはどうかということについてお伺いをいたします。
 素朴な疑問として、市役所の窓口には見えにくい方のために老眼鏡はあるのに、聞こえにくい方のための配慮がなぜないのかという素朴な疑問であります。私の経験から、難聴を抱える高齢者の方と市役所の窓口を訪れた際、プライバシー保護の観点から個室に通していただき、話を聞いていただいたんですが、難聴のために大きな声で話をされました。職員の方から話をされる際には、一生懸命聞き漏らさないように注意深く聞く様子でしたけども、どことなく理解されていない様子で、うまく聞き取れていないのではないかと思う場面もありました。また、聞き返しが多く、聞き間違いもあり、うまくコミュニケーションが取れていない様子でした。帰りに話を聞くと、話を聞いてもらえなかったと一言。双方ともに悪くないのですが、聞こえづらいということが原因でうまく伝え切れず、理解をしてもらえなかったという誤解から起こった出来事でした。
 さきにも述べましたように、いろんな理由により補聴器を所有されていない高齢者が多くおられます。こうした方々の社会参画の推進に向けて、福祉の増進の観点から、全国的に市役所等の窓口に難聴者用の新しく開発された軟骨伝導イヤホンを設置していく動きが起こっています。この軟骨伝導イヤホンの利点としては、一つに、イヤホン部分は穴も凹凸もない球体のため、汚れても簡単に拭くことができる、常に清潔を保てること、一つ、耳栓型イヤホンのように耳穴に差し込まないので、蒸れることがないこと、一つ、軟骨を振動させて外耳道内に音を作り出すため、クリアな音を聞くことができる、一つ、ハウリングを起こさない、一つ、丸型イヤホンは耳のサイズや形に左右されず、快適に装着できること、一つ、左右それぞれの音量を調節できること等が挙げられます。また、安価で入手することができます。難聴を抱える高齢者の方が安心して市役所を訪れ、気分を害することなく用件を済まされ、笑顔で帰っていただくために、本市の窓口における軟骨伝導イヤホンの導入についての見解をお伺いいたします。
○岡本純祥議長 藤井保健福祉部長。
◎藤井宏道保健福祉部長 耳が聞こえにくい人への窓口対応としては、大きな声でゆっくり話す、筆談で対応するほか、相談室などの静かな個室スペースを活用するなど、プライバシーにも配慮し、対応するようにしております。また、障害者福祉課窓口には、電話型の補聴支援システム機器を用意しております。この機器には、鼓膜を通じての拡声機能と頭蓋骨を振動させて音を伝える骨伝導の機能があり、聞こえやすい方法を選択できるもので、聴覚障害者や難聴の人への窓口対応に利用できるようにしているところです。
 軟骨伝導イヤホンは、耳の周囲にある軟骨を振動させて音を伝える軟骨伝導を活用した新たな技術であり、今ある補聴支援システムにはない機能で、先ほど議員が述べられたような利点から、公共施設での導入も広がりつつあるようです。また、軟骨伝導イヤホンは、今ある補聴支援システム機器よりコンパクトで、窓口に置くことで気兼ねなく使用できるというメリットもあると考えます。一方、導入自治体への聞き取りでは、聞こえがよくなる人と効果があまりない人もいるということで、難聴の原因に合った補聴支援が必要と感じています。
 聞こえを補う機器を相談対応時に活用することは、難聴の人にとって聞きにくいことによる会話のストレスや誤った理解、相談控えなどを解消する一助になることが期待できるため、引き続き他市での利用状況や効果、使用しやすい設置方法などを調査するとともに、試験的な導入について検討してまいります。
○岡本純祥議長 13番児玉議員。
◆児玉敬三議員 軟骨伝導イヤホンの導入による窓口環境整備について答弁をいただきました。既存の電話型の補聴支援システム機器については、拡声音、骨伝導、磁気ループの3種類の中から聞こえる方法を選択でき、話し手はマイクを通して利用者に言葉を伝える機器であると答弁をいただきましたが、私がその説明を受けた際には、市役所の窓口にはなく、段ボール箱の中に収納された状態でありました。利用を希望される市民の方がすぐに利用できる状態ではありませんでした。また、電話型なので、受話器を持っての会話となるため、説明を受けながら書類への記入については非常に困難であるように思います。
 今回提案させていただいております軟骨伝導イヤホンについては、先ほどの質問の中で述べたようなメリットが多くあります。また、先行導入自治体への聞き取り調査を行われ、導入に向けた前向きな対応をしていただいているようです。
 答弁にもありましたが、聞こえを補う機器を相談対応時に活用することは、難聴の方にとって聞きにくいことによる会話のストレスや誤った理解、相談などを解消する一助になることが期待できると述べられました。難聴を抱える高齢者の方が社会に適応しやすい状況を推進していくためにも、本市の窓口業務において、難聴高齢者への配慮から、軟骨伝導イヤホンの試験的導入に向けての検討を早急に進めていただけるように要望いたします。
 以上で1項目めの質問を終わり、次の2項目めの質問に移ります。
 続いて2項目め、終活支援についての質問であります。
 私たち三原市議会公明党会派は、市民の方からの御相談を受け、問題解決の糸口を見つけるために、昨年11月に東京都豊島区と神奈川県横須賀市を訪問し、終活支援について調査研究を行いました。その調査研究を受け、昨年第7回12月定例会で、我が三原市議会公明党会派の高原伸一議員が質問をされた終活支援における終活情報登録伝達事業とエンディングサポート事業の事業導入について、市の見解をお聞きいたしました。
 国は、家族など頼れる身寄りがなくても安心して老後を過ごせる環境を整えるため、今年度から身寄りのない高齢者の身元保証や財産管理といった生活上の課題を支えるモデル事業を開始しております。モデル事業は、経済状況に合わせて2種類あるそうです。一つは、民間サービスを利用できる余裕のある人には、市区町村が設ける相談窓口で対応し、配置されたコーディネーターが公的支援と民間サービスを組み合わせて暮らしを支える包括的な支援プランを作成し、それに基づく契約もサポートするというもの。2つは、民間サービスを受ける経済的な余裕のない人には、市区町村にある社会福祉協議会などが対応し、入院や介護施設への入所といった各種手続の代行や緊急連絡先の引受け、葬儀や遺品処理などの対応までパッケージで提供するとのことです。いずれも身寄りのない高齢者の身元保証を確保した上で希望に応じたサービスを受けられるようにするもので、老後を安心して暮らすには欠かせない事業です。国の推計では、65歳以上の単身世帯は、2020年の738万世帯から2050年には1.5倍の1,084万世帯に増え、全世帯の2割を占める時代になると予測しております。国は、モデル事業を通して、当事者が直面する課題を洗い出し、具体的な支援体制を構築していく計画だそうです。
 国に先行して取組を進めている自治体として、東京都豊島区の2021年からの人生最後に備える終活に関する相談窓口、終活あんしんセンターの開設が紹介されておりますが、神奈川県の横須賀市も豊島区と同様にシステムを共有し、取り組まれている自治体であり、私たち三原市議会公明党会派が視察をさせていただいた自治体であります。
 12月定例会での答弁で、藤井保健福祉部長、また岡田市長から、これからしっかりと研究をしていくとの答弁をいただいておりますが、その後の進捗についてお伺いをいたします。
○岡本純祥議長 藤井保健福祉部長。
◎藤井宏道保健福祉部長 終活支援に関しましては、昨年12月定例会以降、市関係課と社会福祉協議会が連携し、先進事例の調査や実際に死後事務の支援を行っている市内外の葬祭事業者や住居支援法人等へのヒアリングを行うなど、本市における支援の在り方について検討を続けているところであります。
 ヒアリングでは、高齢者であっても終活に対する認識が低いことや、死後事務等に関して安易な考えを持つ人が多いといった意識的なこと、本来は迅速に進めるべき死亡後の火葬や葬儀までの手続において、届出を行う人がいなくて難航するケースがあるといった実態を把握してきたところであります。また、今後の終活の実施においては、官民それぞれの役割を明確にし、協力して取り組むことの必要性なども意見聴取しています。
 身寄りがない人にとって、生活や死後において起こり得る様々な問題に対しては、判断能力や資力の有無にかかわらず、本人の自己決定を尊重することを原則とした支援が求められます。また、民間サービスを提供している中で、公的支援が担うべき範囲の整備も必要であります。
 こうした視点を踏まえ、入院や施設入所等の同意、費用の支払い等の問題、また死後における火葬や葬儀の手続、遺骨や遺品の処分といった死後事務に対処していくため、民間や行政が連携し、包括的に支援していく必要があり、国のモデル事業等で示される対策や先進事例等を基準に、行政の役割と民間が提供するサービスを効果的に組み合わせた体制づくりを目指してまいりたいと考えております。
 実現に向けては、市と社会福祉協議会の協働の下、民間との連携を含めた終活支援の実施を想定しています。本年度は、弁護士、司法書士や学識経験者等で構成する権利擁護に関する有識者会議において、終活支援をテーマに検討を進めていく予定であり、優先すべき事項から取り組んでいけるよう努めてまいります。
 また、当面の対応については、社会福祉協議会等の支援機関との連携を密にしながら、既存の制度やネットワークを生かし、具体的な事案に対し個別に対応してまいります。
○岡本純祥議長 13番児玉議員。
◆児玉敬三議員 終活支援について、昨年12月定例会における提案後の進捗状況について答弁をいただきました。終活支援の実現に向けて、本市と社会福祉協議会の協働の下、民間との連携を含めた終活支援の実施を想定をされ、本年度は弁護士、司法書士や学識経験者等で構成する権利擁護に関する有識者会議において、就活支援をテーマに検討を進めていただけるとの答弁でありました。
 事業を進めていく上で課題は多くあると思います。また、ヒアリングでは、終活に対する認識の低さや、死後事務等に対し安易な考えを持つ方が多いといった実態を把握されておりますが、だからこそ大切な支援ではないかと思います。民間サービスを受ける経済的余裕のない人、身寄りのない人にとっては重大な問題であり、またそうした方に携わる方々にとっても重要な問題です。そうした制度を必要とされている方への周知を行い、認識の度合いを引き上げていくことが大事なことと考えます。終活支援における終活情報登録伝達事業とエンディング・サポート事業の導入に向けて、高齢者の方が老後の生活に不安を抱くことなく過ごせる社会構築のために、今後もさらなる検討を進め、また取り組んでいただきたいことを切に要望して、私の質問を終わります。ありがとうございます。
○岡本純祥議長 児玉議員の質問を終わります。
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