録画中継

令和7年第2回定例会
2月26日(水) 予算特別委員会付託議案 総括質問
市民ネットワーク
岡田 直己 議員
1 人とペットの災害対策について
 (1)ペットを連れた避難訓練の実施について
 (2)ペットの災害対策の周知方法について
 (3)応急仮設住宅におけるペットの受入れ対策について
○正田洋一副議長 引き続き総括質問を行います。3番岡田議員。
      〔岡田直己議員質問席に移動〕
◆岡田直己議員 市民ネットワークの岡田直己です。
 議長より発言の許可をいただきましたので、通告しております内容について質問をさせていただきます。
 内容は、ペットとして飼育頭数が多い犬、猫を中心とした人とペットの災害対策についてであります。
 この質問は、昨年の3月議会にて、ペットや補助犬などの災害対策についてという項目で初めて問題提起をさせていただいており、本日は、まず課題について改めてお伝えし、質問に入っていきたいと思います。
 これまでの大規模な災害において課題の一つとして近年注目されているのが、人とペットに関する災害対策です。現在、本市における犬の飼育頭数は、広島県に報告している狂犬病予防接種の数値を基準に算出すると、平成31年度は4,869頭となっており、以降は増減しながら、令和6年度12月末で4,603頭となっております。猫については、本市における飼育頭数の算出は困難でありましたが、一般社団法人ペットフード協会が調査している数値では、全国で平成31年度は876万4,000頭であり、以降は増減しながら、令和6年度は915万5,000頭と39万1,000頭増加しております。この背景には、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い自宅で過ごす時間が多くなり、生活に癒やしを求めてペットを飼う人が増えたことや近年のペットブームなどがあると考えられています。そして、ペットが増加する一方で課題の一つとなっているのが、ペット同行避難などを含めた災害対策についてであります。
 環境省では、このことについて、自治体が地域の状況に応じた独自の災害対策マニュアルや動物救護の体制を検討する際の参考となるように、災害におけるペットの救護ガイドラインを平成25年6月に策定し、以降、平成30年3月にはこれまでの災害における様々な事例を盛り込んだ人とペットの災害対策ガイドラインを発行しました。そして、本市においても、これから起こり得る大規模な災害として南海トラフ地震が想定されております。また、地震調査委員会により、その発生確率は、当初2020年1月時点において、30年以内に70%から80%と予想されておりましたが、本年1月には発生確率は80%程度と公表され、この課題に対しても早急に対策を講じていく必要があると考えております。
 そこで、本市における人とペットの災害対策について、3点お伺いいたします。
 1点目は、ペットを連れた避難訓練の実施についてお伺いいたします。
 まず、私は、今月2月5日に京都で開催されました防災・減災マネジメントの研修会を受講してまいりました。その中で印象に残っているのが、講義の前に簡単な脳トレのような体操をして、そこから防災の本質に入っていきましたが、その本質とは、ゆっくりやればできることも焦っていてはできなくなる。日頃から慣れていることはできますが、急にやるとなるとできないことが多いというものでした。このことを通じて、落ち着いて行動することの重要性と日頃からの準備の必要性を感じました。
 そして、私は、この研修会の前の1月29日に広島県安芸郡熊野町を視察してまいりました。目的は、熊野町はペットなどの災害対策について先進的な取組をしていることから、その取組を研究するためです。
 視察した感想としましては、熊野町ではペット同行避難できる施設を3か所有しており、ペット専用の部屋や備蓄品が準備されているほかに、実際にペットを連れた避難訓練を広島県動物愛護センターや全日本動物専門教育協会と共催で実施しており、先進的な取組を実施していると感じました。
 本市におきましては、昨年5月に広島県動物愛護センターで人とペットのための防災フェスティバルが開催され、様々なイベントの中でペット同行避難訓練を実施し、昨年9月には第二中学校において市民防災訓練が実施され、その中で本市で初めてペット避難所コーナーを設置いただきました。そして、当日は広島県動物愛護センターの方々や獣医師の方にも御協力いただき、体育館の軒下にケージを設置したり、防災グッズを並べたりして、ペット災害対策の普及啓発をされておりました。とてもいい取組をされていると感じましたが、前段の研修会の受講でも触れましたが、日頃からの訓練をすることで有事の際には的確な対応ができると考えており、これらの取組をさらにいいものとするためには、動物愛護センターだけではなく、実際に避難所となる体育館で実施される市民防災訓練の中でもペットを連れた避難訓練を実施する必要があると考えていますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
 2点目は、ペットの災害対策の周知方法についてお伺いいたします。
 前回の一般質問の中で、ペットなどの災害対策に関する広報活動について、飼い主がペットとの同行避難を円滑に実施し、また避難所などにおいてペットを適切に飼育管理するためには、ふだんから飼い主によるペットの十分なしつけ、衛生管理、避難生活に必要なペット用品の確保、行方不明にならないためのマイクロチップなどによる所有者の表示、避難先や避難ルートの確認などが必要となることから、本市の広報媒体や市が実施する出前講座、避難訓練などの機会を利用して、飼い主への災害に対する備えとして、ペットの適正な飼育の必要性や災害発生時の対応について普及啓発することと、ペットを飼育されていない市民の皆様に対しても避難所でのペットなどの取扱いについて周知してまいりますと答弁がありました。そして、先ほどの1点目の質問の中でも触れましたが、市民防災訓練などの場を活用して普及啓発されていることは私も確認させていただいておりますが、そのほかにこれまでにどのような普及啓発の取組及び自助努力を行ったのか、お伺いいたします。
 3点目は、応急仮設住宅におけるペットの受入れ対策についてお伺いいたします。
 これまでの大規模な災害において、地震や津波などで家屋が倒壊し、住宅を失った被災者は、応急的に避難所へ避難し、その後、居住する住まいが確保できていない被災者に対して応急仮設住宅が提供されていますが、もし本市においてペットを飼育されている方が被災し、応急仮設住宅が必要となった場合の対策はどのようになっていますでしょうか、お伺いいたします。
 以上、3点の御回答をよろしくお願いいたします。
○正田洋一副議長 松崎危機管理監。
◎松崎博幸危機管理監 御質問の1点目にお答えします。
 特に犬、猫などのペットを連れた避難訓練の実施については、議員が御指摘のとおり、日頃から訓練を重ねることで、いざというときに落ち着いた行動につながることから、必要であるものと認識をしております。そのため、本市といたしましては、昨年5月に広島県動物愛護センターで開催された人とペットのための防災フェスティバルにおいてペット同行避難訓練を共催し、昨年9月には第二中学校で開催した市民防災訓練において初めてペット避難コーナーを設置するなど、これらの取組を通じて市民の皆様にペットとの避難の重要性を啓発するとともに、避難所におけるペットの受入れ体制の強化をしてきたところです。今後は、議員から御提案のありましたペットを連れた避難訓練につきまして、広島県動物愛護センターや獣医師の方々から意見を伺い、その実現に向けて検討を進めてまいります。
 御質問の2点目についてお答えします。
 ペットの災害対策の周知については、市民防災訓練のほか、昨年6月、市の公式ホームページに災害時のペットの同行避難という特集ページを作成し、周知しているところでございます。このページでは、ペットと同行避難する際のポイントや避難所での飼育方法、日頃からの備え、ペットのしつけと管理などの情報を掲載しており、また環境省などのペットの災害対策に関するページも閲覧できるようにしています。引き続き、ペットの災害対策の周知の充実について努めてまいります。
 3点目の御質問についてお答えします。
 応急仮設住宅は、災害により住居を失った被災者に対し、新たな住居を確保するまでの間、一時的に生活するために、市が県と連携し、提供する住宅です。大規模災害が発生し、災害救助法が適用された場合には、必要に応じて応急仮設住宅の建設や民間賃貸住宅を借り上げるみなし仮設住宅の提供を行います。応急仮設住宅における犬、猫などのペットの受入れにつきましては、平成30年7月豪雨災害時に建設した応急仮設住宅の一部をペットの入居が可能な住宅として提供しております。また、みなし仮設住宅においても、ペット飼育が可能な賃貸物件の情報を市から提供することにより、被災者が入居された事例もございます。県が策定した応急仮設住宅建設マニュアルでは、ペットを飼っていない人等へ配慮をしながら対応することが明記をされております。災害発生時にはペットの受入れについてニーズの把握に努め、ペットを飼育していない被災者にも配慮の上、県と連携し、応急仮設住宅の受入れについて対応してまいります。
○正田洋一副議長 3番岡田議員。
◆岡田直己議員 それぞれ答弁をいただきました。
 まず、ペットを連れた避難訓練の実施についてですが、必要性を理解いただき、実施に向けて検討いただけるということで、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、応急仮設住宅におけるペットの受入れ対策についてですが、制度の理解を深めることができたことに加えまして、平成30年7月豪雨災害時においても、実際にペットの入居が可能な住宅として提供されていることを理解するとともに、安心をいたしました。そして、県と連携して応急仮設住宅のペット受入れに対応していただけるということで、よろしくお願いいたします。
 最後に、ペットの災害対策の周知方法についてですが、答弁にもありましたとおり、本市の公式ホームページの中で危機管理課にアクセスをしますと、災害時のペットの同行避難という特集ページで、ペットと同行避難する際のポイントなどの情報に加えて、関連情報として環境省の人とペットの災害対策ガイドラインなどのリンクが掲載されており、とてもいい内容であると感じている一方で、このサイトにアクセスをしなければ内容を知ることができないといった課題があると感じております。
 そこで、再質問ですが、先ほど熊野町の視察に行きましたと御説明しましたが、熊野町では、これからお見せする啓発チラシになるんですけども、見えますでしょうか。こういったチラシを作成してまして、ここにはペットのしつけであったり、ペットの健康管理、あとは身元確認やペットのための備蓄品、避難所の確認といった災害に関する情報をまとめて、詳しいことはこのQRコード、こちらからサイトへアクセスしてもらえるような啓発チラシを作成しておりまして、狂犬病予防接種会場で飼い主に渡すなどして市民の方に見ていただけるような取組をしており、本市においても類似する啓発チラシを作成して、同じく狂犬病予防接種会場や動物病院などの受付に置いていただくことに加えまして、本市の広報媒体、例えば広報みはらなどを活用しながら危機管理課のサイトにアクセスしていただけるような環境を整え、災害対策の周知を図ってみてはどうかと考えておりますが、いかがでしょうか。
 以上、再質問の回答をよろしくお願いいたします。
○正田洋一副議長 松崎危機管理監。
◎松崎博幸危機管理監 再質問にお答えします。
 議員から御提案のありましたQRコードを活用した啓発チラシの作成、狂犬病予防接種会場や動物病院での啓発活動、広報みはらを活用した市公式ホームページへの誘導について、関係部局や関係機関と連携し、実現してまいります。
○正田洋一副議長 3番岡田議員。
◆岡田直己議員 再質問の答弁をいただきました。
 関係する部、局や関係機関と連携し、実現に向けて取り組んでいただけるということで、よろしくお願いいたします。
 災害はいつ発生するか分からなく、国や専門家は、これまでの歴史の経緯などを踏まえて、南海トラフ大地震の発生の警鐘を鳴らしています。そして、私は、昨年に続いてペットを飼育されている方の災害対策について質問をしておりますが、避難する方々には様々な背景があり、多角的な視点で事前に議論することが有事の際に有効であると考えているからであります。本日は議論の中でお互いに理解を深めることができ、これから検討すべきことも確認できました。最後に、本市の防災・減災対策の発展に期待をして、質問を終わります。
○正田洋一副議長 岡田議員の質問を終わります。
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